赤は夏に
関係ない、関係ないと 駄々こね続けて つかんだ夕日
ふと買い物を終えてぼんやり街を歩いていると、このような短歌が浮かんできた。
はたしてこれは何だろうか。祖父母と共に山の中で暮らしていた幼少期の思い出だろうか。それとも新しい母親になかなか馴染めず泣いていたあの日のことだろうか。まさか現在のことではあるまいとも思うが、二十八にもなって好きなことだけを積極的にしようとしている今も確かに駄々をこねているようなものではある。
自分で作っておきながら自分でもわからないとは。やはり歌は不思議だ。
自分のなかの自分にそっと諭されたような気になるも、懲りずに酒を飲む。洗濯物が乾くのであれば今日は、それだけで、いい。