僕の神について(1)
密造したハードリカーを水道水で割って呑む。
変拍子に合わせて男が歌っている。
ミツゾウシタハードリカーヲスイドウスイデッワテノム。早い。音楽を文で表すことは出来ないがこんな感じ、のような気がする。
金とはなんだ、宗教を信じていなくとも金を信じることはできる。
金を絶対と信じなくとも、キリストだけを、YHVHだけを絶対と信じる事と、音楽をだけ、芸術だけを、恩師だけを、君だけを絶対と信じる事とに果たしてどれほど信仰のレベルにおいて差があるというのだろうか。
神の子を信じていないとしても、その他を信じるその態度は一神教となんら変わらないというのは面白い、ような気がする。
だからこそ、「密造したハードリカーを水道水で割って呑む。」というヤハウェも、オルフェウスも、弁財天も、バッカスも信じない姿勢にずっと憧れている、ような気がする。