僕の神について(2)
バンドワゴンは続くよどこまでも。
久しぶりにバンドで遠出をした。主に自分のせいで何日も使ってツアーをするということが出来なくなったので遠出をするのは何カ月ぶりだろうか。福岡から京都まで車で移動した。
バンドワゴンは続くよどこまでも。
本当にそうなのかな。
始めたものは終わらせなくちゃならない。
けど。
それでも僕は何度も何度も一瞬は永遠で、永遠は一瞬だと信じられる瞬間を経験してきた。永遠と一瞬なんて理解できるはずもないし、自分でもどういう意味か分からないけど。それでも。
移動中後部座席で眠りながら聞くとはなしにメンバーの会話を聞いた、本当に赤い朝焼けを見た、演奏中スネアを合図にバンドが発火した、他愛ない会話で心から笑った、初めての場所でそれでも爆音を鳴らした、あなたと出会い話すことができた、また出会えた、そんな瞬間に本当に僕は永遠と一瞬を信じたんだ。
始めたものは終わらせなくちゃならない。
本当かな。
歌うということは歌を詠うことだ。「歌」はもともと特別なリズムを刻む「打つ」という単語と関連した単語だ。それは日常ではなく、それは尋常ではなく。
古事記にこんな一文がある。
「汝が言える言は何の言ぞ」
「吾は言はず。唯歌を詠みつるのみ」
言葉は通常だ。歌は異常だ。歌は神(あなたが信じるなにか)につながるものだ。だから。
始めたものは終わらせなくちゃならない。
確かにそうだけど。そうだけど、でも。
別に今終わらせることはないし、もし音楽が鳴りやんだのならまた鳴らせばいい。
そうやって何かに繋がっていけ。
行け勇んで、何物でもない僕よ。
バンドワゴンは続くよどこまでも。