言葉をはきだす機械

ことばをはきだすきかい。コトバヲハキダスキカイ。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

C♯m

ごろごろとしたものが体の中をせり上がってくる。本来たどるべき順序とは全く逆の道筋をたどるそれを僕はたまらず吐き出した。 それは三時間前に食べたウインナーだった。茶色、薄いピンク、酸味。自分の吐瀉物を見るたびに昔読んだ小説を思い出す。人間の脳…

ぼろにぼろ

さて並べてみようか。死体、聖体、翡翠にメロウ。蟻地獄からはちゃかぽこちゃかぽこ煩いな。どこかにどんでんがえしがあると、つまらないまま続く演劇。かわかわかわかわかわらな、セカイ系にはほとほと飽きたよ、それでもこうして使者のふり。ありがとう、…

これでちょうど10グラムですっ!とまぶしい笑顔の店員は言った。 ほう、それならば家でコーヒーを飲むにあたりちょうど良いではないかと僕は微笑んだ。 本来ならば祝福されるべき昼下がり。10グラムですっ!の声が僕の生活を彩ってくれると思っていた。あま…

赤は夏に

関係ない、関係ないと 駄々こね続けて つかんだ夕日 ふと買い物を終えてぼんやり街を歩いていると、このような短歌が浮かんできた。 はたしてこれは何だろうか。祖父母と共に山の中で暮らしていた幼少期の思い出だろうか。それとも新しい母親になかなか馴染…

音たちへ

かちりかちりと音がする。 お酒を大量に飲んだせいで布団に突っ伏している耳にひっそりとささやいてくるやさしい音。おそらくコップの中で氷たちがゆるやかに、ふざけあうようにぶつかり合う音だろう。痛飲した自分をからっかって声をかけてくれているのだろ…